道北の旅 (4)さいはての礼文島

4日目。
昨日をもって、ついに最北端である宗谷岬の制覇を果たすことができました。

…けれどもここ宗谷地方には、交通アクセスの不便さという意味ではさらなる「果て」ともいえる離島が存在します。
利尻島礼文島という宗谷地方の二つの島。
この両島を訪れるのが、この旅行で残された3日間におけるミッションです。

稚内港6時20分発、まずは礼文島・香深(かふか)行のフェリーに乗船。

本日気掛かりなのが天候。礼文島ではトレッキングをする予定なので、曇りというだけでもテンションがた落ちだし、ましてや雨なんか降られたらどうすりゃいいんだ…。

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ノシャップ岬をまわって行くと、西側にはどんよりとした雲が立ち込めている。文字通り先行きが暗い。

そして案の定、船は完全なる曇天の中へ…。

礼文島に着いたはいいものの、どん曇りどころか霧雨まで降っています。
遠路はるばるここまで来たのに運が悪いと、半ば憂鬱になりながらとりあえず港近くのカフェで一服。
離島でカフェが朝から営業してるだけでも救い。

香深の集落をぶらりと見て回った後、宿の送迎車で礼文島の北端、スコトン岬を目指します。
いつしか止んでいた雨は、ふたたび降りだす。あれれ、風までも強くなってきた…!?

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スコトン岬に着いて辺りを見渡す頃には、もう完全に諦めがついていました。
吹きすさぶ強風がうなりを上げ、潮を散らし、草たちをなぎ倒す。
海が広がっているはずの視界は、笑っちゃうほどになーんにも見えない。

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…そうか、こここそが「果て」なんだ。
日本のさいはて。行きつくところ。終点。

緯度だけは宗谷岬に負けているからこそ、看板にも「日本の最北"限"」なんて書き方がしてあるんだろうけど、まさに言い得て妙。やや俗っぽい宗谷岬より、よほど北の端っこ感がありました。

一応、ここからはトレッキングコースを4,5時間歩いて宿に入る予定にしていたのですが、この暴風では…完全に諦めました。

少し待てば路線バスがあるようなのでそれで引き返します、ハイ。

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とりあえずのところ、本日の宿がある船泊地区までバスで降りてきました。
礼文島北部で最も主要な集落で、昼営業の食堂や喫茶店もあるので、最悪そこらに籠ればいいかなと。

岬周辺はひどい天候でしたが、意外とこっちは風も弱くて視界も効くな。
ちょっと気になるところでも散歩してみよう。

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神社がありました。
草に覆われた丘陵地の一部だけを切り取って参道と社殿としており、なかなかに珍しい光景。

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礼文神社」参道よりスコトン岬方面。

…あれ、日差しがさすようになってきたね。それどころか青空まで顔を覗かせるように。岬の方面は相変わらずガスの中に隠れていますが。
これ、天気予報以上の結果じゃない?日頃の行いの良さがやっぱり効いてるのでは??(笑

軽く参拝を済ませたあとは、食堂で腹ごしらえ。海鮮丼やらうに丼やらで安易に観光客に媚びるなどということを全くしていない、完全に地元民向けのお店でしたが、それだけにカツ丼がきちんと美味しかった。

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昼食後、まだ天気が持っている。となればふたたび散策。
高台より、今度は礼文神社のある方面を、船泊湾とともに眺める。

このどことなく北の国らしい景観は、やはり森林ではなくアシなどの草や低木がなだらかな丘陵を覆っているからなのでしょうか。
実はこれ、北海道本島の景観が、原生林を開拓してつくられた人工的なものであるのと同様、ここ礼文も木を伐採しすぎてこうなったとの説もあるようで、とすると「○○らしい景観」というのもあくまでも文化的なものなのかどうか…。

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ちょっと南側、島の中央方向に視線を移すと、そこには久種湖という日本最北の湖が静かに佇んでいます。
スコトン岬からのトレッキングコースを辿ることは構いませんでしたが、存外天気が持ちそうなので、午後は代わりに湖沿いのコースでも歩いてみることにしました。

そうそう、礼文島は花の島でもあります。

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名前の分からないこの白い花とか、

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…名前の分からないこのトゲトゲの変な花とか、散策路を歩きながら撮ってみたりしていました。(たぶんアザミの一種)

しかし礼文島で本当にみるべきは、この近辺に群生地がある「レブンアツモリソウ」であって、写真で見たときの白くまんまるな形が大変印象に残っているのですが、残念ながら見ごろは5月から6月ごろとのこと。
花とか興味なかったけど、こいつはぜひホンモノを見てみたいと思う。そのぐらい特徴的な花だったりします。

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湖の淵を経て、緑の中を抜ける。
ここらはミズバショウの群生地だそうですが、それらしい花はわからず。なお、誰もいないし歌でも口ずさむかと、なぜか自然と出てきた鼻歌は「ハナミズキ」。

散策路はやがて道道に合流。
アスファルトの坂道を登って高山植物園に立ち寄ったりしつつも、最終的には島の東側、上泊地区の方まで下りてきてしまいました。

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丘のふもとにコンクリートの校舎が目立つ旧上泊小学校。相当前に閉校になったようですが、いまも避難所として利用されているようです。
このあたりの風景もまたこの島らしくて綺麗だ…。

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香深方面へは、海岸沿いに幹線道路が続いています。
歩くのはここまでかな。

もともと予定していたコースを歩くことはできませんでしたが、随分の距離でした。。
路線バスで宿のある船泊の方に戻って、16時にはチェックイン。17時には風呂に入って18時夕食、なんと健全な生活だろう。
カニ、ツブガイ、タコ、どれも美味しかった。やっと海鮮にありつけました。

きわめて珍しいことに当日中に旅行記を書き終えた。そろそろ寝ます。

☆当日UP、8月7日に修正しました