はじめての東京諸島――新島・式根島・利島の旅(下)

式根島で迎えた旅行3日目。
今日は利島に渡ります。

もともとの行程では、利島で3泊目を迎える予定でした。ところがこの頃、南から台風13号が徐々に接近中。
明日にでも直撃、というほど近づいていたわけではなかったので、他の島なら気にせず旅行を続けることもできたのですが、こと利島については事情が違う。この島、フェリーの就航率が、伊豆諸島の中でも屈指の低さを誇っており、少し海が荒れただけで着岸中止になってしまうのです。
かくして、宿泊を取りやめ、3時間ほどの弾丸滞在に止む無く切り替えと相成りました。

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利島が近づいてきました。
これまでの島々に比べ、明らかに孤島感の強いフォルムに冒険心が沸き立つ。

人口わずか300人で一つの村、これといった観光資源もなく、旅行ガイドではほとんど無視されている島です。
それだけに行ってみたくもなるわけで。

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上陸!
一行の外、降り立ったのは初老の男性一人のみ。

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静かな島内より、外洋と直に接した港から出ていく大型客船を眺めていると、世界の果てに置き去りにされたような感覚に陥ります。

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それにしても、本当になにもない島でした。1つだけ集落があって、それが村のすべて。
お昼をとるつもりだった食事処は、2か所とも営業してる気配がなく、村の商店を覗けば、菓子パンぐらいしかすぐ食べられるものがない。物産店を訪れれば、極端に短い営業時間からは当然のごとく外れており、営業日のはずの島の博物館は、担当者がいないとかで役場の職員にわざわざ開けてもらう始末。JAには大きなディスプレイがあって、物資の入荷予定が表示されているぐらいだし、「都会の喧騒から離れて、優雅な島ライフを(はあと)」みたいな甘っちょろい考えで出向くと痛い目をみます。

でも、本当に何もかも嫌になった時は、書籍を携えて宿に引きこもりにくるのもいいかもしれない。

13時50分、週3便運航の下田行「あぜりあ丸」で島を離れる。
また来ることはあるのだろうか…。

東京諸島の旅はここで終わり。
ここからは急遽加わった番外編、伊豆半島の旅です。

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下田の「ペリーロード」を歩く。粋だなあ。

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この日の宿「金谷旅館」は、木造りの大浴場が有名な、江戸時代創業の老舗。室内の一角を切り取るだけで絵になる。
戦前の「高等遊民」はこんな宿を渡り歩いていたのだろうか。

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翌7日、旅行最終日は東京を目指して北上。
昨日まで晴天続きだった天候は雲行きが怪しく、台風の接近を匂わせる。

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伊豆高原駅で途中下車し、スコリア丘として知られる「大室山」に立ち寄ります。
山焼きによって作り出された独特の相貌が面白い。

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山頂の火口縁より。
溶岩流のつくりだした起伏ある風景がよく分かる。

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そのまま至近の城ケ崎海岸にも立ち寄りました。これほどまでに荒れた海を初めて見た…!
観光客がわらわらいる崖上まで潮が遡上していたし、それでも皆興味津々で海をのぞき込んでいたし、こうやって事故が起こるんだなあ、と人間心理の恐ろしさもまた知りました。

これにて帰途へ。
5日取得可能な夏季休暇もうち2日を消費し、学生時代に比べて短すぎる夏休みに涙を落とすのでした。

☆9月22日にUPしました。