多摩モノレール沿線めぐり ~東大和市編~(上)狭山丘陵のきわとプラネタリウム

東京に住んでみたのはいいけど、立川よりさらに西に居を構えてしまったせいで、名古屋や神戸にいる時同様、あまり都心に親近感が湧かない不覚。
でも、折角この場所に住んだのだから、今のうちに多摩地域のことをもっと知っておきたい、そうも思うようになってきました。

そうだな、多摩モノレールにでも乗ってみるか。

多摩都市モノレール多摩地域を南北に縦断する路線。JR中央線西武新宿線京王線など、既存の鉄道路線は都心と郊外の間の輸送を担っていますが、多摩モノレールはそれらの路線とだいたい直交する形で郊外同士を結んでいます。1998年に開通しました。

土曜日だから起床は遅かったし、見どころも多そうだから、今日一日で沿線全部を巡るのは難しそう。
そこで今回は、多摩モノレールの一番北のエリア、東大和市を訪れることに

東大和市。たぶん、関東の人でも全然ピンと来ない地名だと思う。
でも、埼玉や千葉ならともかく(失礼)、東京都内のこういうマイナーな市町村って、なんだか気になりませんか。うん、僕はなるなる。何があるんだろ。

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とりあえずはJR青梅線で立川まで出て、ここを起点に多摩モノレールの旅を始めます。
飲食店からデパートまで何から何まで充実していて、僕が勝手に「多摩県の県庁所在地」と呼んでいる街・立川。毎週のように来ていて、今日もここで買い物を済ませたところ。
繁華街でカメラを構えてジッと列車を待つのはなかなか恥ずかしい。

立川南駅から上北台駅行のモノレールに乗ります。

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立川って駅前はザ・繁華街なんですが、少し北に来るだけで急に郊外然としますね。
ひっろびろとした一帯を突き抜けます。

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玉川上水駅玉川上水西武拝島線とクロス。
ここから東大和市に入ります。

東大和市内のモノレール駅は2駅だけ。

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すぐに終点の上北台駅が見えてきました。
後ろに控える一連の緑は狭山丘陵です。「トトロの森」として知られるやつですね。西武遊園地西武ドームなんかもこの丘陵の一帯にあります。

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丘陵を前にして、軌道はここで途切れている…。

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が、一応延伸計画があります。
ここから西に折れて、なんと東京都内(で本土)なのに未だに鉄道路線がない武蔵村山市を経て、JR八高線箱根ヶ崎駅(瑞穂町)までアクセスする構想です。

僕はそのまま北、狭山丘陵方面に歩を向けます。

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水がないから空堀川、だそうな。

なんだか、のどかです。せわしさがない。
東京でマイホームなんて無理‼って嘆いてた人も、ここになら建てられるんじゃないだろうか。
ただし、都心へのアクセスはめっぽう悪い。

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農業もできる。
なんとなく地元っぽさがあります。東京が嫌いな人でも、ここなら住める!

東大和市で今最も栄えているのは、市の南端部、西武新宿線周辺。そこから北にずいぶん来ていますから、狭山丘陵直下のこの辺りで土地にゆとりがあるのもごく自然なことに思えます。
ところが、後で「郷土博物館」で学んだところによると、この土地の歴史が始まったのはむしろこの丘陵の周辺からだったといいます。

地理学の基本のキ、集落はがけ下に立地する。

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あとで紹介する郷土博物館の資料をここで先取り。
東大和市の北端に位置する狭山丘陵は、洪積台地が多摩川などの河川に浸食されず取り残されたものです。
台地のきわは地下水の便もいいし、狭山丘陵の里山を入会地として利用することもできる。沖積平野の真ん中にポツンと住むより余程理にかなっています。

実際、上北台駅周辺の区画は新興住宅地のごとく綺麗に整理されていたけれど、丘陵のふもとで東に折れて歩いてゆくと、路地の雰囲気も変わってくる。
家そのものは新築だったりするのに、道だけはそのまま昔から継承されてきたような。

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旧青梅街道沿いには、都内に2か所しか残っていないという高札場。
江戸時代からこの辺りに人が集って住んでいた証です。

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 これも郷土博物館の展示物だけど、こんなものを掲示していたわけだ。

で、その東大和市立郷土博物館にようやく到着。

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駅から遠い辺鄙な場所にあるし、2階建ての小さな博物館ではあるんだけど、ご覧の通り、プラネタリウムが設置されています。
特筆すべきは、ローカルな施設のプラネにも関わらず、大平技研の誇る高性能投影機「MEGASTAR」が導入されていること。都心のど真ん中の大規模な科学館でもなく、こんなところに、です。

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古めかしい券売機、素朴な「ようこそ」の横断幕、1日たった3回の投影、開園を待っているのはただ一組のお客さん…
予想以上にローカル感満載な館内、それでもこの先にメガスターがあるのか…!

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直径14メートルのドームの中央に、緑色の投影機が控えていました。

小さくてもキラリと光る投影、だったと思います。
光学レンズで星像を映すのみならず、デジタル映像をも全天に投影できるようになった昨今。生で解説するまでもなく、全周運動から星座絵の表示まで全てが自動で進んでいく収録版ではありましたが、それでも解説内容は工夫に満ちたものでした。
良い投影機入れてるだけあって、小さな施設だけどちゃんとしたものを伝えたい、という誇りが伝わってくるような気がして。
カップル受けや万人受けを狙いすぎた都心のプラネ(コニカミノルタのやつとかね)に飽き飽きした人にお勧めしたい、正統派プラネタリウムでした。

(下)に続きます。