紀伊半島 山と海の旅 〔1-2〕十津川温泉と果無集落散策

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十津川温泉までやって来ました。
大和八木から4時間あまり乗ってきたバスとはここでお別れ。少し十津川村の空気を吸ってぶらぶらしてみたいと思います。

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まずバス停近くで目に付いたのがこの「源泉販売スタンド」。100円で10ℓ出るので、数十ℓを持ち帰ってご家庭のお風呂に混ぜれば温泉気分が味わえる…!んだそうですが、観光客が持って帰るのはなかなか大変では…。

すぐ近くの公衆浴場に足湯があったのでそこで一息つく。

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ほう、飲泉場とな…。
コップに一杯汲んでみる。硫黄臭が鼻につく。意を決して飲んでみると、生ぬるさゆえのもったり感、ミネラルの雑味。美味しくはない。

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温泉街は平谷という集落。温泉街といっても宿の数は両手で収まる程度。
ほどよい生活感があります。

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すぐ傍らには十津川の優美な流れ。
河岸にボートがいくつか留め置かれていたのが目を引きました。釣りなのか、交通手段なのか、何に使うんだろう。

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国道沿いの喫茶店、スナック。
本当にこぢんまりとした集落ですが、地元の人御用達の施設やお店は一揃い揃っていて、しかもその多くが現役らしいのが、なんだかほっとさせられる所以であり、一般的な中山間地域と比べて特異にも思えるところ。
そりゃ、出ていくべき街が五條か新宮まで無いんだからなあ…。

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バスターミナルから橋を一つ渡り、下流側から集落を眺めたところ。
温泉街が河洲の上に立地しているのがよくわかります。

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各店舗に大きな「のれん」を掲げて観光ネタにしているようですが、風情をぶち壊してる感があってあんまり良いはとは思わないなあ正直…

で、この地のグルメをもって昼食とすべく、お目当てのお店にたどり着いたのですが、寄り道が過ぎたのか既に閉店。
えぇ…!秘境の地でこうなってしまうと兵糧攻めです。お昼抜きも覚悟してスマホをいじくると、幸いにして国道沿いに喫茶店を発見。

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街道と民家、そのわずかなスキマで畑をば。

国道沿いの喫茶店は幸いにして営業していました。ご当地ものにはありつけなかったけど、この際腹が満ちれば牛丼でも良し。ごちそうさまです。
テレビには羽生くん。十津川と東京、ピョンチャンが急に繋がる。

十津川温泉から南に歩いてきたのは、なにもメシにありつくためだけではありません。
新宮方面に向かう次のバスまで約3時間、その時間を使って、もう一つ訪れてみたい場所がありました。それが「果無集落」です。

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上湯川という支流が十津川に合流する地点までやってきました。
ここで僕も国道168号線から脇に逸れ、村道を進みます。

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紀伊半島各所から熊野三山に向かう世界遺産熊野古道
果無集落へは、その「小辺路」と呼ばれるルートのほんの一部を通って向かうことになります。
さあ、登山開始!

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どれほど年季が入ったものかは分かりませんが、整えられているとは言い難い石畳が「古道」らしさを演出してくれます。

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左手に広がる展望!
十津川によって深く彫り込まれた地形がよく分かります。
山の上に見えるのは老人ホームのようです。土地が無いとはいえ、景観ガン無視のなかなかに思い切った立地。

もうひと頑張り、もうひと登りすると…

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なんだここは……。
ひたすらに森を抜けて、山の上に突如開けた土地。
こんな下界と隔絶した地に生活がある。嘘のようだ。
天空の城。

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池には緋鯉、カエルは氷漬け。

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ミカンのようにも見える苗木が植え付けられている。
「城」の隅々にまで行きとどく心配り。
しかし、人の気配はない。楽園、天国にでも来てしまったのか、と思うほど。

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果無集落全景。
いにしえの人は、どうしてこんな地をわざわざ切り開いて、居を構えようとしたのだろうか。
熊野古道のルート上にあたるとは言え、生活の便が良い場所とはとても言えないし、地理学上の集落立地論にも反しているように思えます。
この浮世離れした風景に惚れたのだろうか…。

   *   *

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再びバスの旅に復帰です。ホテル昴16時20分発の新宮行に乗車。
この区間を行く路線バスは1日3本、奈良から和歌山への県境越えを控えた区間とあって、車窓風景はいよいよ本日最強の深山幽谷ぶりを呈してきます。

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シンプルなアーチが美しい二津野ダム。
昨今のロックフィル式なんかと比べて、壁一枚で水を湛えている感じがいいよね(伝われ)

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そしてこれまた圧巻の眺め!全長1.7kmに及ぶ七色高架橋に差し掛かる。
切り立った山肌をものともしないでぶち抜く爽快さ。ロマンだ…。

しかしこの高架橋を過ぎて和歌山県に入ると、幾分と山並みも落ち着き、熊野川と名前を変えた十津川もゆとりをもって流れるようになります。

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そして、本日の宿泊地である湯の峰温泉に到着。今日の移動はここまでです。
湯の峰温泉熊野本宮大社の近くに位置する、小さな温泉街。

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温泉街の中心を貫く道路沿いには小川が流れており、その河原からはもくもくと湯気が湧きたっています。ここが源泉地なのかな?硫黄臭がする。

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温泉の成分のせいかあちこち異様な色に染まっています。
こうやって湯が湧いている所をリアルに目前にできる温泉地って、あまり多くないんじゃないか。

温泉街全体を見渡してみても、古風な旅館が多く立ち並び、非常に落ち着きがあっていい雰囲気。遊びたい盛りにはちょっと物足りないかもだけど。
僕は近くのゲストハウスに泊まりました。スタッフの方のご厚意で思いもよらぬ交流ができて、大満足です!
23時就寝。健全健全。

☆2月27日にUPしました。