近鉄乗りつくしの旅 〔1-2〕夏の吉野探訪(後編)

吉野散策を続けます。

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商店と神社仏閣が入り混じる吉野山の道。
こういう風情ある所をのほほんと歩くのは非常に気持ちの良いものです。人でごった返してないのがなお良い。

 

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そんなことを考えながら歩いていると、現れたのは「吉水神社」。
これはどうやら重要なスポット、行っておいた方が良さそうです。

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鳥居をくぐって道なりに進むと、何やら難解な漢文を携えた門。読めない…。
実はこの吉水神社、先ほどの金峯山寺もそうなんですが、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されているスポットの一つ。熊野古道世界遺産として認知している人は少なくないでしょうが、吉野もそこに含まれているというのは結構盲点なんじゃないかと。

境内はこぢんまりとしていて、建物は本殿の他に書院造が1つある程度。神社というより、別荘のようです。
一見、こんな地味な神社がなんで世界遺産に…と思ってしまいますが、とりあえず何も考えずに突き進み、400円払って書院造の見学をすべし!

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日本最古の書院造と言われてもピンとこない、けど…
日本史好きの方にはお分かり頂けるでしょうが、吉野って、ここ抜きには日本史を語れないほど、歴史上重要な土地なんですよね。

まず何といっても南北朝時代建武の新政天皇中心の国家づくりを図った後醍醐天皇が、南朝の拠点を置いたのがここ吉野です。つまり当時の都ってわけだ。

次に、時代は遡り鎌倉時代源義経が兄・頼朝に追われるエピソードは有名ですが、逃亡途上の義経が一時滞在したと言われるのがやはりここ吉野。

最後に、豊臣秀吉。秀吉と言えば、死の直前、京都の醍醐寺で盛大な花見をしたことで知られていますが、実はここ吉野でも花見の会を催したというのです。

とはいっても、後醍醐天皇源義経豊臣秀吉という小学生でも知ってる歴史上の偉人たちが吉野に縁がありますよー、というだけならそこまで驚きもありませんよね。
驚くべきは、皆この吉水神社の書院に滞在しているんです。
つまり、古ぼけた家屋にしか見えないこの空間は、実はありとありったけの歴史が詰め込まれた貴重な空間だという…

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思わず「すげぇ!」と声が漏れ出てしまったのは、この後醍醐天皇の玉座。
キラッキラですよ。なにせ、天皇様の居場所ですから。
こんな奈良県の片田舎に、です。

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展示物も面白い。
弁慶の持ってた槍だって…信じる?

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本筋からは外れますが、こういう日本国憲法下じゃ到底見られないようなものも面白いね。

院内の紹介はこれぐらいに留めておきますが、他にも、義経がいた部屋だとか、屏風絵で最も有名な狩野永徳の作品だとか、水戸黄門もとい水戸光圀の書状だとか、ありとあらゆるビッグネームがこれでもかとばかりに飛び出してくるのがこのボロイ建物。
歴史好きなら興奮間違いナシだと思います。是非行ってみてください!

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ちなみに、吉水神社の境内は桜の展望スポットとしても知られていますが、今はごらんの有様で。


吉水神社からメインの道路に引き返してさらに進むと、またまた旅館や商店なんかも織り交ぜつつ、いくつもの神社仏閣が現れます。
が、そろそろ時間が無くなってきたので、見学はナシ。

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ここらで吉野駅に向かって折り返すかな。

往路は金峰山寺や吉水神社が点在する山の尾根部分を伝って歩いてきたことになるのですが、帰途は山を下りて、谷を経由していくことにします。

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この辺りは「中千本」と呼ばれ、桜のシーズンはなかなか綺麗みたいです。
彼方にみえるのは如意輪寺。

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谷底はただ自然の中を行くだけの一本道。
駅までの道を急ぐ…。

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吉野駅に戻ってきました。ちょうど特急「さくらライナー」と「青の交響曲」が並んで停車中だったのでパチリ。
もっとも、僕は追加料金不要の急行に乗りましたが。南大阪線阿部野橋を経由し、そのまま神戸入りしてこの日の行程を終えました。

桜のシーズンしか注目されない吉野ですが、歴史・文化といった面でのポテンシャルの高さは新たな発見でした。
奈良の山の奥に閉ざされた(宗教的な意味での)秘密基地…とまでは言い過ぎかもしれませんが、吉野は桜だけじゃないってことを覚えておいてあげると天国の後醍醐天皇も喜びます、きっと!

☆9月5日にUPしました。